投資を始めようとして情報収集をしている方の中には、意見が人によって違いすぎて何から始めればよいのか迷ってしまう方もいらっしゃるでしょう。
「少額投資では意味がない」といった意見を目にして「やっぱり投資はまだ早いのでは?」と感じている方もいるかもしれません。
しかし、判断を先送りにすればするほど将来への備えが不十分になってしまいます。
平均年収が上がらない日本では、年齢を問わず早めに投資による資産形成を考える必要があります。
ここでは、投資初心者が何から始めるべきかについて、おすすめの投資先を紹介します。
目次
初心者は少額から投資を始めてみよう!
投資初心者の方には、少額から始めることをおすすめします。
つみたてNISAで購入できる投資信託なら最低100円から始められます。
全額ポイントで投資をすれば、現金を使わずに投資家になることも可能です。
もちろん、投資金額が大きいほど利益も大きくなりますが、失敗したときのダメージも大きくなります。
場合によっては、1日で1ヵ月分の給料を失うこともあります。
投資は思うようにいかないことも多いので、まずはおこづかいなどの余裕資金で始めるのが良いでしょう。
「本などで勉強してから始めたい」と考える人も多いですが、知識を身につけるよりも実践する方が何倍も勉強になります。
初心者におすすめの投資方法はこれ!
ここでは、初心者におすすめの投資方法を全部で5つ紹介します。
初心者におすすめの投資方法 | |||
必要な金額 | 口座管理費用 | おすすめ | |
つみたてNISA | 100円~ | 無料 | |
ポイント投資 | 実質無料 | 無料 | |
iDeCo | 月5,000円~ | 月171円~ | |
日本株 | 100円~ | 無料 | |
米国株 | 100円~ | 無料 |
つみたてNISAで投資する
つみたてNISAは投資信託の最低投資金額である100円から購入できるので、投資初心者でも始めやすいです。
つみたてNISAは、2018年にスタートした少額からの長期、積立、分散投資を支援するための非課税制度です。
対象商品は投資信託とETF(上場投資信託)の合計225本に厳選されています。
年間の投資枠は40万円で、投資から得られる利益や分配金(配当金)は非課税になります。
なお、2024年以降は新NISAが始まりますが、つみたて投資枠の対象商品は現行のつみたてNISAと変わりません。
投資家に人気のある海外株式を主な投資対象としたインデックス投信の平均保有コスト(信託報酬)は、金融庁が定める年率0.75%(税抜き)を大きく下回る年率0.30%(税抜き)です。
投資信託の保有コスト(信託報酬)は、高いものでは年率2.0%を超えるものもあり、つみたてNISAの対象商品が極めて低コストであることがわかります。
年率1.0%保有コストが高い投資信託で毎月3万円ずつ投資をすると、同じリターンでも20年間で100万円以上損をしてしまうので、いかに低コストな投資信託を選ぶかが重要です。
つみたてNISAで投資をするなら、低コストな投資信託を多数取り扱っているSBI証券が良いでしょう。
つみたてNISAの取扱銘柄数は業界トップであるだけでなく、つみたてNISAでのポイント投資にも対応しています。
日本株や米国株、IPO(新規公開株)の取扱銘柄も充実しているので、つみたてNISAはSBI証券で始めるのがおすすめです。
ポイントで投資する
楽天ポイント、Pontaポイント、Tポイントなどを使ったポイント投資は現金を使わずに投資ができるので、気軽に始められます。
ポイント投資に対応する商品は証券会社によって異なりますが、投資信託へのポイント投資は複数のネット証券が対応しています。
ポイント投資を始めたい方はメインで使っているポイントに応じてネット証券を選ぶと良いでしょう。
特にこだわりがない場合は、ポイント投資の対象商品が豊富な楽天証券を選ぶのがおすすめです。
楽天証券は、投資信託だけでなく日本株や米国株にもポイント投資に対応しています。
2022年以降、クレジットカード決済でのポイント還元率やSPU(スーパーポイントアッププログラム)の条件が見直されるなど、サービスの変更がありましたが、楽天銀行、楽天カード、楽天市場、楽天モバイルを利用する方なら楽天ポイントを貯めるのは簡単です。
そこまでヘビーユーザーでなくても、年間2~3万ポイントの楽天ポイントを貯めることができます。
ポイント投資をきっかけに、普段使う銀行やクレジットカードなどを見直す機会にしても良いでしょう。
iDeCoで投資する
口座管理手数料が毎月かかる点や60歳まで原則出金できない点など、つみたてNISAと比べて制約が多いiDeCoですが、節税を考えている方には選択肢のひとつになります。
iDeCoは個人型確定拠出年金の愛称で、私的年金制度のひとつです。
つみたてNISAと同様に利益の非課税メリットが受けられるだけでなく、毎年の掛金全額が節税(所得控除)になります。
例えば、毎月5,000円(年間6万円)の掛金で年間9,000円の節税ができます。
※所得税5%、住民税10%、復興所得税を考慮しない場合
ただし、iDeCoは一度開設すると口座の解約や出金は原則できません。
開設時に2,829円の手数料がかかるだけでなく、以下の口座管理手数料を最短60歳まで払い続けることになります。
SBI証券はiDeCoの口座管理手数料が最も安い金融機関のひとつであり、金融機関によってはもっと高い場合もあります。
iDeCoを始める前に、毎月5,000円(年間6万円)以上の掛金を安定して60歳まで出し続けられるかを考え、慎重に検討したほうがよいです。
日本株に投資する
初心者の方が個別株に投資を始めるなら、日本株の1株投資が最も手軽です。
トヨタ自動車や任天堂など、日本の有名企業に少額で投資できます。
日本株は、手数料無料でリアルタイムに売買する場合、SBI証券や楽天証券などで100株単位で購入する必要がありますが、手数料を支払えば1株から売買できます。
例えば、トヨタ自動車の株を100株購入するには18万800円が必要ですが、1株投資なら手数料を含めても1,900円以内で購入可能です。
100株未満(1~99株)の日本株は単元未満株と呼ばれ、ネット証券では手数料が安いです。
頻繁に売買を行う方には、手数料の安い楽天証券がおすすめです。
ただし、楽天証券の単元未満株サービスは2023年4月17日に開始されたばかりで、取扱銘柄数は473銘柄(うちリアルタイム取引は98銘柄)に限られています。有名企業の株は取り扱っていますが、日本株全体の約10%程度しか対応していません。
楽天証券の単元未満株サービスでは購入できない銘柄も多いため、長期保有を前提とするならSBI証券を選ぶ方が良いでしょう。SBI証券なら、単元未満株でも日本株全体の9割以上を取り扱っています。
米国株に投資する
日本株に抵抗がある方は、米国株を選ぶのも良いかもしれません。
米国株には日本株と比べてAppleやAmazonなどの世界的に有名な企業が多く含まれています。
日本株とは異なり、1株からでも制約なくリアルタイムで売買できます。
ただし、為替手数料がかかる証券会社が多い点や、売買手数料が日本株と比べて高い点には注意が必要です。
手数料が気になる方はマネックス証券で一般NISA口座を開設し、一般NISAで米国株に投資することで購入時の手数料を実質無料にすることができます。
一般NISA口座を開設するとつみたてNISA口座は開設できませんが、2024年以降は新NISAに一本化され、事実上つみたてNISAと一般NISAの併用が可能になります。
マネックス証券のメリットは米国株の手数料だけではありません。
クレジットカードによる投資信託の積立(クレカ積立)のポイント還元率が1.0~1.1%あり、クレジットカードの年会費も実質無料です。クレカ積立は一般NISAやつみたてNISAにも利用できます。
米国株から投資を始めたい方は、マネックス証券のNISA口座を開設してみてください。
初心者が知っておきたい投資へのリスク
どの投資を選ぶにしても、投資にはリスクがつきものです。
投資先を選ぶ前にリスクを把握して、リスクへの対応策を知ることで大きな損失を回避するようにしましょう。
ここでは、初心者に特に知ってほしい投資リスクを3つ紹介します。
信用リスク
日本株や米国株に投資をする際には、信用リスクに注意することが大切です。
信用リスクとは、投資した会社が将来も存続するかどうかが確実ではないことを指します。
最悪の場合、会社が破綻して株式の価値がゼロになることもあります。
頻繁に起こることではありませんが、最近ではアパレル企業のレナウンが破綻しました。
破綻まで至らなかったとしても、ジェネリック医薬品大手の日医工は自力で経営再建ができない状態になり、私的整理によって株式の価値が大きく下がりました。
有名企業でもこのようなリスクは存在するため、個別企業の株を購入する際には会社の利益(業績)が安定している株式に投資することや、投資先の業績を定期的に把握することを心がけることをおすすめします。
価格変動リスク
どの投資先にも価格変動リスクは必ずあります。
価格変動リスクとは、株価や投資信託の基準価額が毎日変動することにより評価額が変わることをいいます。
投資をする以上、完全に回避することはできないリスクです。
価格変動リスクは、分散投資(時間の分散、地域の分散、金融商品の分散)を行うことで抑えられます。
時間の分散は毎月定期的に同じ金額を投資する手法が効果的です。
つみたてNISAなら、毎月積立(または毎週、毎日積立)が設定できるので一度設定するだけで時間の分散ができます。
地域の分散は、世界の株式に投資する投資信託を買うのが最も手軽です。
つみたてNISAの対象商品である「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」なら、1本の投資信託で世界中の株式に分散投資できます。
金融商品の分散はリスクがほとんどない商品(現金や預金)とリスクのある商品(投資信託や株)にわけるのが最もわかりやすいです。
それぞれを50%ずつにして、年1回のペースでバランスを整えるのがよいでしょう。
流動性リスク
マイナー企業の株に投資するときは、流動性リスクに注意してください。
トヨタ自動車やAppleのような有名企業なら十分な取引量があるので問題ないが、なかには1日に100株しか取引されない企業もあります。
流動性リスクを抑えたいなら、少なくとも1日に10万株以上取引されている株を選んでください。
まとめ
今回は、投資初心者が何から始めるべきかについて、おすすめの投資先を紹介しました。
この記事が、みなさんが投資を始めるきっかけとなれば幸いです。
20代のサラリーマン。
将来が不安になり、投資に興味を持ち始めた。
特にNISAに関心があり、休日に少しずつ勉強している。
初心者向けに投資に関する情報は発信中。