高い値上がりや勝率から注目を集めるIPO投資ですが、IPO投資について様々な勘違いをしている方も多くいます。
今回はIPO投資に関する勘違いについて詳しく解説します。
目次
IPOの勘違い11選
ここでは、IPOに関する勘違いを全部で11個紹介します。
IPOはハイリスク・ハイリターンではない
IPO投資を高リスク・高リターンと誤解している方がいます。
投資である以上、リスクは当然ありますが、実際には必ずしも高リスクとは言えません。
2020年に新規上場した企業は93社あり、そのうち初値が公募価格を上回った銘柄は全体の約76%でした。
つまり、IPO全体の7割以上が値上がりした年でした。
一方で、値下がりした銘柄の中で最も値下がりしたものでも初値が公募価格の0.75倍とわずかに下がっただけです。
それに対して、値上がりトップの銘柄は公募価格の10.9倍の初値を付けました。
このことからもIPO投資は通常の株式投資に比べて高リターンを期待できる可能性がありますが、高リスクであるとは必ずしも言えません。
一般人はIPO株を購入できない
IPO投資は上場前に株を公募価格で購入するため、一般の方には手が届かないと思われがちです。
しかし、実際には誰でもIPO株を購入することが可能です。
証券会社に口座を開設するだけで、IPO株の申し込みができます。
ただし、口座を開設した証券会社がIPO株を取り扱っていない場合は申し込みができないので注意が必要です。
IPOは新興企業ばかりではない
IPO株に対して、新興企業への投資と誤解されることが多いです。
確かに、時代のトレンドに合った注目の銘柄が多く上場しますがそれだけではありません。
長い歴史を持つ老舗企業や有名企業も新規上場することがあります。
例えば、2018年にはソフトバンクが、2020年にはアースインフィニティが新規上場しました。
新興企業には今後の成長や将来性が期待できる一方で、成熟企業には上場後も安定した業績が見込めるという特徴があります。
それぞれに魅力があるので、自分の好みに合わせて投資先を選ぶと良いでしょう。
IPOは詐欺ではない
IPOは日本語で新規公開株と呼ばれます。
未公開株詐欺が多発したため、IPO(新規公開株)も詐欺ではないかと疑う人がいるようです。
しかし、IPO投資ではどの企業がいつ上場するかが事前に決まっているため、その日以降は市場で自由に売買できます。
さらに、IPO銘柄は上場する証券取引所の厳しい審査を受けるため、安心して株式を購入することができます。
IPO株を取り扱うのは実在する証券会社のみであり、普段利用している信頼できる証券会社から購入することが推奨されます。
IPOはどこの証券会社で申し込んでも一緒ではない
IPOの抽選に参加するには、まず証券会社に申し込む必要があります。
どの証券会社でも条件は同じだと考える方もいますが、それは大きな誤解です。
証券会社によってIPO株の配分数は大きく異なります。
例えば、IPO株全体の80%以上を引き受ける証券会社もあれば、全体の1%しか引き受けない証券会社もあります。
このように、証券会社ごとに配分されるIPO株の数は大きく違うため、IPO抽選に申し込む際はできるだけ多くの株を配分している証券会社を選ぶことをおすすめします。
さらに、多くの店舗型証券会社では担当者が普段から付き合いのある顧客に対して、特別なIPO株を譲る「裁量配分」が行われています。
これまであまり投資をしてこなかった人が店舗型証券会社でIPO株を取得するのは不利です。
一方、ネット証券では割り当てられたIPO株をすべて平等に抽選する証券会社が多いため、投資初心者でもIPOの当選確率を上げることができるのが魅力です。
IPOは当選するわけがない
IPOはその高い値上がり期待から抽選倍率が高くなりやすいです。
そのため、「IPOは宝くじのようなものだ」「当たるわけがない」といった声をよく耳にします。
しかし、実際には当選している人も多くいます。
例えば、郵政グループ3社のような大規模な上場の場合、IPOの株数も非常に多くなります。
つまり、抽選になった場合でも多くの人が当選する可能性があるということです。
ある調査によると、証券口座を持っている人のうち60%がIPOの抽選に当たったことがあるという結果が出ています。
また、一部の証券会社ではIPO抽選に外れた場合にポイントを付与する制度を導入しています。
このポイントを貯めてIPO抽選の際に使用すると、使用したポイント数に応じて当選確率が上がる仕組みです。
IPOは一つの証券会社でしか申し込めないわけではない
IPO抽選に参加する際は1つの証券会社からしか申し込めないと誤解している方が多いです。
しかし、実際には複数の証券会社からIPO抽選に申し込むことが可能です。
IPO抽選は各証券会社ごとに行われるため、1社だけに申し込むと抽選は1回しか行われません。
しかし、例えば10社に申し込むと10回分の抽選が行われます。
申し込む証券会社が多ければ多いほど当選の確率も上がるため、できるだけ多くの証券会社から申し込むことをおすすめします。
IPO株の購入手数料は高いわけではない
証券会社で株式を取引する際には売買手数料がかかります。
IPO株についても、購入時に売買手数料が必要だと誤解している方が多いですが、実際にはIPO株の購入には手数料がかかりません。
IPO株を取得する際には公募価格のみを支払えばよく、追加のコストは発生しません。
ただし、上場後に売却する場合は通常の売買手数料がかかります。
IPO株は上場初日に必ず売却できるわけではない
IPO株を公募価格で購入し、上場初日の初値で売却するのが一般的なIPO投資ですが、必ずしも初日に売却できるとは限りません。
銘柄によっては上場初日に買い注文が集中し、初日に値がつかないこともあります。
初日に値がつかない場合、翌営業日に売却のタイミングが延びることがあります。
それでも値がつかない場合はさらに翌営業日へと持ち越されることになります。
買い注文が多くて値が上がるのは嬉しいことですが、売却後すぐに口座から出金を考えている方には予想外の事態となる可能性があるので注意が必要です。
IPO株は必ず安全なわけではない
IPOに対して高い値上がり期待を持つ方が多いですが、投資の世界に絶対はありません。
IPO銘柄は証券取引所の厳しい審査を通過した企業なのである程度の安心感はありますが、それでも値下がりのリスクは存在します。
過去には上場直後に決算の下方修正が発表された銘柄もありました。
投資に絶対の安全はないので、必ず自分自身で企業の状況を確認することが重要です。
IPO株は必ずしも初値で売却する必要があるわけではない
抽選に当選して公募価格でIPO株を購入できた場合、多くの投資家は初値で売却することが多いです。
しかし、必ずしも初値で売却しなければならないわけではありません。
購入した株が気に入った場合や、将来的にさらに値上がりする可能性があると考える場合は、売却せずに保有し続けることも可能です。
まとめ
今回は、IPOに関するよくある勘違いについて紹介しました。
この記事が、みなさんの投資を始めるきっかけとなれば幸いです。
20代のサラリーマン。
将来が不安になり、投資に興味を持ち始めた。
特にNISAに関心があり、休日に少しずつ勉強している。
初心者向けに投資に関する情報は発信中。